フィルムとデジタルを組み合わせる理由
「なぜ今さらフィルムを使うのですか?」と聞かれることがあります。答えは単純で、フィルムで撮った写真には、デジタルで後処理をいくら重ねても出せない質感があるからです。ただし、フィルムだけで撮影を完結させることにも限界があります。両方を使う理由を、実際の撮影経験から説明します。
フィルムが得意なこと、苦手なこと
フィルムが得意なのは、ハイライトの粘りです。デジタルセンサーは明るい部分が一定の輝度を超えると白飛びしますが、フィルムは段階的に露出オーバーになるため、白飛びの手前に柔らかいグラデーションが残ります。この特性が、逆光や窓際の撮影で特に活きます。
一方、フィルムが苦手なのは暗所での撮影です。ISO400のフィルムでは、夕暮れ以降の光量が少ない状況でシャッタースピードを確保するのが難しくなります。また、撮影後すぐに確認できないため、露出の判断を現場で完結させる必要があります。
実際の使い分け方
ウェディング前撮りでは、メインの撮影はデジタルで行い、特定のシーン(例えば逆光の中での2ショットや、衣装の質感を強調したいカット)でフィルムカメラを取り出します。フィルムは1本36枚なので、どのシーンで使うかを事前に決めておきます。
ポートレートセッションでは、お客様がフィルム仕上がりを希望している場合に限り、フィルムの割合を増やします。デジタルで全体の流れを押さえながら、フィルムで「この一枚」を狙う、という進め方が多いです。
現像とスキャンについて
撮影後のフィルムは福岡市内の現像所に持ち込み、現像とスキャンを依頼しています。スキャンデータはデジタル撮影のRAW現像データと合わせてオンラインギャラリーでお渡しします。フィルムの現像には通常1〜2週間かかるため、納品期間はデジタルのみの場合より少し長くなります。
フィルムとデジタルの仕上がりの違いは、作品集のページでサンプルをご覧いただけます。どちらが自分たちの写真に合っているか迷っている方は、ヒアリングの中でご相談ください。